私の娘(2018年10月生まれ)の左足首には生まれつき大きな黒いあざがありました。
足首の裏側なのであまり目立ちませんが、正面から見るとなかなかの存在感です。
結論から申しますと、3回の手術で切除予定です。
自治体の4ヶ月検診後(2019年2月末)に皮膚科系のクリニックで大学病院に紹介状を書いてもらい、生後8ヶ月ごろ(2019年6月末)から切除手術を開始しています。
他に黒いあざを持って生まれた赤ちゃんをお持ちのママたちの参考になれば、と思い、この黒いあざとの出会いから別れまでを綴っていきます。
目次
黒いあざとの出会い
生まれた時からあるのですが、出産直後には気づかず、生まれて2日後、入院先の産院でオムツ替えの時に見つけました。
はじめてみつけたときはまっくろのうんちが足首についているのかと思いびっくりしました。
あざの位置が足首の後ろ側(かかと側)なので、赤ちゃんを常に仰向けに寝かせている状態では気づきにくかったんですね。
出産時立ち会った助産師、看護師、医師からは、このあざについて特に指摘はありませんでした。
新生児室の赤ちゃんが寝ているコットにかけられている申し送りの紙には一言、「黒色母斑」と書かれていました。
母斑…ということはホクロのことかな?
退院時に産院の医師に尋ねると、
- 珍しいものではない、大きめのほくろのようなもの。
- 急に大きくなったり、様子が変わったらガンの可能性もある。
- 生後2週間後と1ヶ月後にある健診で、小児科の先生にも診てもらってね。
とのことでした。
黒色母斑とは?
黒色母斑は、色素性母斑のうちの黒色のほくろのことをいいます。
色素性母斑は黒褐色のあざで、ほくろのような小さなものから、巨大なものまで大きさは様々です。
母斑細胞が表皮と真皮の境目もしくは真皮の中に存在して、メラニン色素を作り出すために、褐色ないし黒色に見えます。
時には毛が生えたり表面がでこぼこすることもあります。小さな色素性母斑は悪性化することはあまりありませんが、巨大色素性母斑はより高い確率で悪性化し、皮膚癌のなかでも最も治りにくい悪性黒色腫になると言われています。
足の裏や手のひらのほくろも悪性化しやすいと言われますが、それほど頻度は高くありません。
2週間健診で小児科医からアドバイスを受ける
2週間健診と1ヶ月健診で産院の医師とは別の小児科の先生に、この黒いあざを診てもらいました。
- 2週間健診と1ヶ月健診のときと比べて大きさは変わっていないので、おそらくガンではないでしょう。
- これだけ大きくて色が濃いとレーザーでは消えません。
- 切除手術になります。
- 手術をするなら早い方がいい。
- 4ヶ月健診後に皮膚科系のクリニックで大病院の紹介状を書いてもらってください。
以上のアドバイスを受けました。
訪問助産師におすすめの美容系の皮膚科クリニックを受診
4ヶ月検診のまえに、生後3ヶ月ごろに自宅に訪問助産師の方が来られました。
女の子だし跡が残りにくいように配慮してくれる美容系のクリニックがいいよ!
と言われたので、美容系皮膚科クリニックを紹介してもらいました。
4ヶ月健診終了後にその美容系皮膚科クリニックでもあざを診てもらいました。
・手術は1回で終わらない(無理に1度で取ると皮膚が引っ張られて傷口が塞がらない)
・紡錘状(葉っぱ型)に数回に分けて切り取る方法になる
など、具体的な手術方法を教えてもらうことができました。
近所の大学病院の形成外科の紹介状を書いてもらい、近々受診してくださいとアドバイスを受け終了。
大学病院で診察→術前検査
次の日に大学病院に行くも、予約をしていなかったため初診で二時間かかりました。
待合室にはWi-fiもないため暇つぶしの本を持って行っていなかったことを後悔しました。
診察
美容系皮膚科クリニックでの説明の通り、手術は2回以上の数回に分けて切り取るとのこと。
足首は歩行に関与するところなので、皮膚の切除は慎重にしないと歩行に影響が出るかもしれないので手術の回数はどうしても多くなる。
赤ちゃんの成長に合わせて皮膚が伸びることを期待して、生後半年以降から早めに手術をしたほうがよいとのことでした。
夫と休みのすり合わせをして娘が8ヶ月になるタイミングである、診察から2ヶ月後に手術日決定。
(手術が混んでいることが多いので早めに受診して手術日を決定することをおすすめします)
入院日、手術日、翌朝退院の2泊3日のスケジュールになりました。
(傷の治りによっては3泊4日の可能性もあると説明を受けました。)
手術前の説明や術前検査
手術の約1ヶ月半前に形成外科で入院説明、麻酔科で麻酔の説明、最後に手術のための術前検査を受けました。
麻酔科での麻酔の説明
麻酔は全身麻酔になります、との説明を受けました。
全身麻酔のリスクについて説明してもらい、同意書にサイン。
今は麻酔による事故はほとんどないそうです。
術前検査
術前検査は次の3つでした。
胸部レントゲン→心電図→血液検査の順で受けました。
血液検査の注射で赤ちゃんはギャン泣きしてしまったので、この順番で正解でした。
- 胸部レントゲンではスポンジの上に座らせて、胸の正面と側面を撮影。
↑青いドラえもんのぬいぐるみが背中を向けてバンザイしているのがわかりますか?
ドラえもんが刺さっているところに赤ちゃんを座らせて撮影します。
- 心電図は寝かせた状態で測定。どちらもあまり泣かずに終了。
- 血液検査は、看護師、医師、私の3人がかりで採血。
私は赤ちゃんが暴れないように体全体で赤ちゃんを押さえつける役目でした。
かなりの量(30mLくらいかな)の血液を採るので、結構長い時間泣き叫ぶ娘を押さえつけなければなりませんでした。
泣き叫ぶ娘はかわいそうですが、しっかり押さえて一回の採血で済むようにがんばりました。
入院準備
いよいよ1週間後には入院、というタイミングで入院準備をしました。
赤ちゃんとの付き添い入院や持ち物についてはこちらに書いたので、興味がある方はこちらをご覧ください。
手術当日
手術の日には手術用の前びらきの服に着替えます。
(手術着は1日100円程で借りることができます)
手術は11時30分から始まる予定のため、それに合わせたスケジュールを手術前日に看護師さんから説明されました。
・ミルクやジュースは手術の日の6時まで
→朝5時半に看護師さんに起こしてもらい、ミルクと母乳をあげました。
・お茶、お水、ポカリは9時まで
→手術まで時間があるので、マグなどがあれば飲ませることができした。(私はマグを忘れたので飲ませることができませんでしたが、特に娘はぐずらなかったので大丈夫でした)
手術は1時間半ほどで無事終了し、泣いて疲れ切った娘が病室に戻ってきました。麻酔はすでに切れていました。
右手には点滴、左手には点滴を失敗したと思われる注射器の傷が点々とありました。
目的の左足首の黒アザはこのように包帯でまかれていました。
手術後に担当の医師から説明があり、傷口は縫わずに医療用ボンドでとめているとのこと。
医療用ボンドについてはこちらのサイトで詳しく説明されていました。
夕方には離乳食も食べることができました。
しかしその晩は38℃の熱があり、おっぱいがないと眠れなかったらしく、私はほぼ娘のベビーベッドの中で一緒に寝ることになりました。
術後、38℃の熱以外特に問題がなかったので、入院が長引くこともなく翌日退院になりました。
手術の次の日には普通にお風呂に入っていいとのこと。
普段は、塗り薬の抗菌薬を塗り、通気性のいいガーゼ型の絆創膏で保護をします。
手術前と手術後の黒アザの変化
左が手術前、右が手術後の足首です。
黒アザは半分ほどの大きさになりました。
手術はさらにあと2回繰り返して、完全に除去すると説明されました。(全部で3回の手術)
気になる赤ちゃんの場合の入院費用
赤ちゃんと2泊3日の付添入院の結果、どれだけの費用がかかったのか計算してみました。
総医療費=¥367,010(うち食事療養費¥2,020)
→これが自治体の補助で、自己負担額は¥2,472に!!
私の食事代(全てコンビニで購入)=¥2,600(概算)をプラスしても総額1万円もかかりませんでした。
※医療費の負担割合は自治体にもよると思います。
子供の医療費が軽減されることは本当に助かります。
黒色母斑切除手術・2回目手術後
1回目の手術が無事終わったあと、家に帰った後も痛がる様子はなく普段通りに過ごしていました。
1回目の手術から約半年後、娘が一歳4ヶ月ごろに2回目の黒色母斑の切除手術を行いました。
(手術日程や手術費用は1回目とほぼ同じでした)
▲(左)2回目の手術直前の写真、(右)2回目の手術後1週間経過後
だいぶ小さくなってきました!
黒色母斑切除手術・3回目手術後
二回目の手術から約1年後、娘が2歳2か月ごろに3回目の黒色母斑切除手術を行いました!
ほぼ足首の母斑はなくなり、手術終了へ
▼左が手術前で、右が3回目の母斑切除手術後です。
ほぼ母斑はなくなりましたね!
よく見れば取り切れなかった黒子はあるのですが、これで十分ではないでしょうか。
3回目手術の1か月後、手術跡が腫れてきた!
しかし、手術の1か月後に手術跡の部分がみみずばれのように腫れてきました!;;
医師に処方された貼り薬(右の写真)で無事腫れは収まりました。
貼り薬は入浴後約1か月間貼り続けました!
(だんだんめんどくさくなって貼らなくなったのは内緒)
黒色母斑切除手術、3回目の手術から1年後…
約2年間、3回にも及んだ娘の黒色母斑手術。
最後の3回目の手術から1年がたち、足の傷は残ったものの、何事もなく過ごしています。
▼3回目の手術から1年後の娘の足首
娘は今3歳。
母斑の存在も忘れるくらいきれいな傷跡になったと思います!
これで、娘の手術の記録を終わります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
同じアザをもつ赤ちゃんがいる家庭の参考になれば幸いです。
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